適切な3Dパートナーを探して
CRBは設計と施工に優れた施設をサポートすることで、バイオ・製薬業界の顧客向けに、持続可能なエンジニアリング、建築、建設、コンサルティングサービスを提供する企業です。特殊な機器や外部環境の影響を受けやすい化学物質の保管など、こうした施設に特有の問題を適切に管理すると、医薬品の開発を迅速に進め、重要な治療法を迅速かつ低コストで提供することにつながります。CRBとその顧客にとっての課題は、こうした問題すべてに対処する計画の立案という、良好な環境であっても難易度の高いものです。世界的感染症が大流行している状況下では難易度はさらに高まります。
新型コロナウイルスはCRBのビジネス手法を即座に直撃しました。重要な現場見学と査定業務が制限されただけでなく、顧客が担当しているプロジェクトの種類も制限されました。CRBでは、新型コロナウイルスが発生する前から360度写真を使って現場をキャプチャし、状況を正確に伝えていましたが、ロックダウンになったときには、より没入感のある方法で施設のバーチャルツアーを顧客と関係者に体験してもらうことが必要でした。そのようなソリューションは、現時点のニーズを満たすだけでなく、将来的にプロジェクトのプロセスを迅速化し、より効果を上げる基盤になると理想的です。
「静止画のフロアプランや立面図よりも3Dの方がはるかにビジュアルを想い描きやすくなります」とCRBの地域バーチャル設計・建設マネージャーのChris Link氏は指摘します。「3Dプラットフォームを探すにあたっては、精度、使いやすさ、リモート機能、柔軟性を優先しました。さまざまな選択肢を検討した結果、機能と価格の点でMatterportが最適であることが明らかになりました。Matterportは、技術的に複雑で時間的制約のあるプロジェクトにとって理想的なパートナーです」
精度を犠牲にすることなく作業速度を大幅に改善
最近のCRBの緊急プロジェクトの一つに、新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発と配布を目的とした米政府の官民パートナーシップ「オペレーション・ワープ・スピード」の一環として行われたものがあります。この取り組みの一環として、ある大手製薬会社から、既存施設をフリーズドライワクチンの製造と保管向けに改変する依頼がCRBに寄せられました。ただ、この施設には竣工以降何度も変更が加えられており、CRBには現状を示すモデルもなければ、エンジニアリングチームを現地に派遣することもできませんでした。
「仕事を超高速(ワープスピード)で成し遂げることは、提案でなく必須条件でした」とLink氏は言います。「当社が引き受けた案件の中にはお客様が前例のないほど短期間にワクチン製造を開始するための改築・建設プロジェクトがありました。Matterportを使って正確で実用的なモデルをキャプチャし、リモートで働く世界中の設計チームとそれらのモデルを共有することは簡単なことです。Matterportがあれば、顧客の時間を何週間も節約し、数万ドルのコストを削減できます」
コロナ禍発生以前、CRBは通常6人から10人のエンジニアを派遣し、数日かけて現地調査を行っていましたが、Matterportを使えばたった1人でおよそ1日で現場をキャプチャすることができます。スキャンデータのキャプチャと共有でプロセスが合理化され、設計プロセスが最大3週間短縮、それに伴い出張費も3分の1へ減少しました。
充填ライン設備の一部変更という重要な設備改造に際しては、正確かつ実用的なモデルの用意が不可欠でした。CRBはMatterportスキャンを活用し、実際に現地を訪れて確認することなく、製薬会社に対象空間の包括的な概略を提供しました。
「Matterport Pro2カメラがあれば、驚くほど高解像度のデジタルツインを作成できます」とLink氏。「これらのスキャンをMatterPakにまとめれば、点群情報をRevitなどのプログラムにダウンロードできます。こうした点群データを使って寸法を検証できるので、ある機器が収まるかどうかを確認するために特定の通路のすべての形状をモデル化する必要もありません」
没入型のバーチャルツアーから新たな顧客サービスを創出
リモートワークを増やしたり出張を減らしたりするなど、パンデミックへの対策を講じたビジネス手法に適応しても、CRBは幅広いサービスを提供し続けており、事実、サービスの幅を広げているほどです。CRBのプロジェクトマネージャーは、ある製薬会社の顧客がiPhoneやiPadを使って13,000平方フィートものペニシリン用無菌製造施設のMatterportキャプチャを作成していることを知り、Pro2を使って、さらに素早く完全にキャプチャすることを提案しました。
CRBは6時間ほどでキャプチャを実行し、処理してみせました。デジタルツインを共有することで、顧客のオペレーションチームは無菌室を汚染したりアレルギーを引き起こしたりすることなく、スペースのバーチャル見学を行うことができるようになりました。CRBのこの顧客は既にMatterportを採用していたため、自社のMatterportハブから顧客のハブにデジタルツインを容易に転送することができました。このように一見すると小さなことが、CRBの今後に大きな意味を持ちます。
「高品質なMatterportのキャプチャを作成し、顧客が継続的な設備資産管理に役立てられるよう引き渡すことができます。顧客サービスの観点で、これが非常に大きな強みとなっています」とLink氏。
360度キャプチャの枠を超えてさらに実用的なモデルを作成
CRBは主に、改築プロジェクトやより大規模なリノベーションの現在の状態をキャプチャするするためにMatterportを使用していますが、広範囲にわたる空間データにより、幅広い顧客のニーズにも対応できています。最近では、あるバイオテクノロジー会社から、バルブ、配管、チューブの直径に至るまで発酵室を記録して別の現場に正確に再現するように依頼されました。
CRBは、感染対策を講じつつ、Matterportを使用して1日で施設全体をキャプチャしました。翌日には、バルブの種類や他の機器との距離を記したMattertagsを追加し、エンジニアリングチームが別の施設で効率的に設定を複製できるよう、詳細な情報を提供しました。
Matterportを利用すると空間を360度で表現する以上のことが可能です。没入的なバーチャルツアーを作成し、各バルブやタンクにタグやラベルを追加することさえできます。Matterportは、鮮明で正確な3D画像と精度の高いデータを統合することで、この業界に新たなスタンダードを確立しており、顧客、関係者、社内チームとより効率的にコミュニケーションを取り、非常に難易度の高い設計上の課題に対応する解決策を練り上げるうえで役立っています」(Link氏)。
CRBではより複雑で構造的に注意を要するプロジェクトに取り組むなかで、Matterportのさらなる導入拡大を目指しつつ、顧客の時間とコストを削減しています。「Matterportの導入で、コロナ禍でも安全かつ効率的にプロセスを維持するだけでなく、改善するために最適なツールが手に入りました。将来の計画を描くためのソリューションとして、Matterportの価値はさらに高まりつつあります」(Link氏)。
CRBについて
CRBは、非公開の持続可能なエンジニアリング、建築、建設およびコンサルティング企業として、35年以上にわたり主にバイオテクノロジーおよび製薬業界にサービスを提供しています。
https://www.crbgroup.com/
本社
ミズーリ州カンザスシティ
業界
建築/エンジニアリング/建設(AEC)
課題
パンデミック中、3D技術を利用してバイオ・製薬施設プロジェクトをリモートで効率的に進める
製品
Matterport Pro2
解決策
Matterportは高解像度の3Dスキャンとデータ共有ツールを提供して、製薬会社の拠点の実用的で詳細なデジタルツインを開発します
成果
- 仮想機能により、コロナ禍でもプロジェクトを安全に期日どおりに継続
- 出張関連費用を3分の1に削減
- プロジェクト計画プロセスを3週間も短縮
- 継続的な資産管理のための新しい顧客サービスを構築
https://varnish.production.matterport.us2.amazee.io/ja/industries/case-studies-7